個人(地主)が所有する土地に法人(借地人)が建物を建てるケースはよくありますが、税務上の注意点とは何でしょうか?
借地人が借地権を買い取らない場合、土地の更地価額の年6%の相当の地代を支払わなくてはなりません。借地権の買取りをせず、かつ、相当の地代に満たない地代の契約の場合は、借地権の認定課税が行われる可能性があります。今後地主に対して少ない地代の支払いで済むような借地権を借地人が取得したとみなされるからです。
このような事態をを回避するためには「土地の無償返還に関する届出書」を税務署に提出します。届出書に添付する借地権の設定等に係る契約書には将来、借地人が土地を無償で返還する条項が含まれていることも必要となります。
なお、相当の地代でのやり取りがない場合ですが、今回のケースのような地主が個人の場合は、所得税法には法人税法のような無償の役務提供に対する課税の規定がないため、地代契約で締結した地代を収入に計上すればいいことになります。借地人の法人側も同額の地代が損金となります。相当の地代より少ない金額での契約であれば地主が個人の場合には相当の地代の認定課税の問題はないと思われます。