国税庁はこのほど、タックスアンサーを更新し、仮想通貨「ビットコイン」に係る利益は原則、雑所得になることを明らかにしました。
№1524「ビットコインを使用することにより利益が生じた場合の課税関係」
ビットコインは、物品の購入等に使用できるものですが、このビットコインを使用することで生じた利益は、所得税の課税対象となります。
このビットコインを使用することにより生じる損益(邦貨又は外貨との相対的な関係により認識される損益)は、事業所得等の各種所得の基因となる行為に付随して生じる場合を除き、原則として、雑所得に区分されます。
総合課税の雑所得に区分されるため、ビットコイン同士の損益や公的年金等といった同じ雑所得内での内部通算のみ可能となります。申告分離課税となるFX(外国為替証拠金取引)や株式等との損益通算はできません。
ビットコインの「使用」には、売買によりビットコインを日本円などに換金した場合だけでなく、ビットコインで資産を購入(交換)、別の仮想通貨とのトレード、ビットコインの採掘(コンピュータ等を使った一定の作業をする見返りとして交付)などが該当します。いずれも値上がり益等に課税されます。
なお、消費税法上の取り扱いですが、ビットコインに代表される仮想通貨は、これまで法律的に定義されていなかったため、消費税の課税対象とされてきました。
したがって、仮想通貨を譲渡した場合は課税売上に該当し、仮想通貨を購入した場合は課税仕入に該当して仕入税額控除の対象となっていました。
ところが、平成28年6月に公布された資金決済に関する法律により、仮想通貨も貨幣や紙幣と同様に、支払手段として法律的に定められたため、消費税法においても、平成29年7月1日以後については、有価証券に類するものの範囲に含まれることになり、仮想通貨を売買した場合でも非課税とされます。
消費税法施行令第9条(有価証券に類するものの範囲等)
4 法別表第一第二号に規定する支払手段に類するものとして政令で定めるものは、資金決済に関する法律(平成二十一年法律第五十九号)第二条第五項(定義)に規定する仮想通貨及び国際通貨基金協定第十五条に規定する特別引出権とする。